企業、新電力に替えやすく

2018年10月23日:日本経済新聞 朝刊

経産省新指針 手続き最短5日に短縮


 経済産業省は工場など企業の電力購入先について、大手電力会社から新電力への切り替えをしやすくする。

最大40日ほどかかっていた手続き期間を最短5日に短縮し、大手の過剰な囲い込み営業などを防ぐ。

大手が切り替えを防ぐために大幅な値下げなどの提案をした場合、立ち入り検査などの対象にする。

新電力の市場参入を促進するため競争環境を整える。

 

 23日の有識者会議で、経産省の電力・ガス取引監視等委員会が事務局案として提示する。

年内にも電気事業法の新しい指針として取りまとめ、運用を始める。

 

 企業が事業用の電力購入先を切り替える際、その情報が国の機関のシステムを通じて大手電力に伝わる。

これを大手の営業部隊が察知し、「切り替えが済むまでに顧客を引き留めようと営業攻勢をかけている」との指摘がある。

 

 この対応策として、経産省は手続きを短縮化する。

いまは電力大手から新電力に契約を変更する際、送配電網を大手から借りる託送契約と、電力使用を遠隔管理できるスマートメーターの工事を完了する手続きが必要となり、切り替えまで合計25〜40日かかるという。

 

 新ルールは託送契約手続きが終われば契約変更できるようにする。

スマートメーター設置は託送手続きの変更後でいいようにする。

これにより切り替えが短縮され、大手が引き留め営業をかけにくくなるとみている。

 

 値引き交渉も防ぐ。

大手が契約を切り替える情報を利用し、企業側に安い料金プランを提示したり、取引関係や資本関係を理由に引き留めようとしたりすれば問題行為に位置づける。

政府が立ち入り調査や勧告を行い、従わない場合、認定を取り消せるようにする。